135.チーズから見た国内農業
皆さん、チーズは好きですか?
そのチーズが2022年4月から最大で10%ほど値上げになると乳業メーカーから発表がありました。その発表を聞いて、おや?と思う方もいたのではないのでしょうか。
日本国内ではコロナ禍もあって牛乳の消費が落ち、この3月にも生乳廃棄処分の危機だということで、消費拡大キャンペーンや酪農家さんでの生産調整といった努力を各方面で行っている真っ最中です。
牛乳(生乳)はだぶつき気味なのにチーズは値上げなのか?
そこで某大手乳業メーカーのプレスリリースを読みますと、輸入原料チーズの高騰につき値上げするとあります。つまり、一般的なチーズは海外産の原料を使用している割合が高いと推測されます。牛乳はほぼ100%国産なのに、チーズに関しては輸入製品も使用されている。製品に反映するコストもあるから仕方がないとも言えますが、残念な気持ちになります。
私がお世話になっているお客様で、自分でチーズを製造して販売している酪農家さんがいます。正直なところ、価格は某大手メーカーよりも高いです。それは酪農家さんがコスト計算して、この味覚だからこの価格で買ってほしいという価格設定だからです。どうしても海外産に比べると国内産は製造コストが高いので、製品自体は高くなる傾向が強いですが、たまには国産のチーズを食べたいものです。
農産物の価格はなかなか農家さんが自ら設定するのが難しいのが現実です。でも、国内の農業を応援する意味もこめて、皆さんもぜひ、農家さんが自ら作って、自ら価格を決めている農産物を応援していただきたいです。
帯広営業所 S.T