338・山崎12年との出会い
私は現在52歳になりますが、山崎12年を初めて飲んだのは31歳の時でした。
その時に勧めてくれたのは中学時代の先輩で、久しぶりに再会した居酒屋でのことでした。「これを飲んでみろ」と差し出されたグラスの中には、ロックで注がれた琥珀色の山崎12年が輝いていました。
口に含んだ瞬間、芳醇で奥深い香りと味わいに驚き、今までのウイスキーの印象が一気に覆されました。
甘さとビターさの絶妙な調和、そしてじんわりと広がる余韻は、当時の私にとって忘れられない体験でした。
先輩は笑いながら「大人になったら、こういう酒を楽しむんだ」と語ってくれ、
その一言と山崎12年の味わいは、今も心に深く刻まれています。
以来このウイスキーは私にとって特別な存在となり、節目や大切な仲間との時間を彩る一本となりました。
中学時代の先輩が繋いでくれたこの出会いは、単なる酒との出会いではなく、大人の時間を豊かにするきっかけそのものであったと今でも感じています。
真駒内 M