237・「そして、ある時は修理屋さん…?」
リレーブログ担当3回目の今回は、趣味(?)の修理・修繕について書きます。
前2回も「お菓子作り」と「ChatGPTのご紹介」という趣味の話題でしたが、この度は趣味といいつつ「直さずにはいられない性分」も絡んでいて、我ながら「実益たっぷりの良質な趣味」と自画自賛です。
入社以前にかつての職場内で修理したアイテムの数々を並べて、自分を褒め称える事にいたします。(笑)
修理その1:水稲の播種板
これは、水稲品種比較試験などで箱マット苗を作る場合の播種に用いるアイテムです。現在ではおそらくかなり入手困難だと思いますから、修理しながら大切に扱わなければなりません。抜け落ちて無くなった精密ねじを購入して播種板に取付けるだけ…ではありません。重ね合わせられた板をずらす事で種籾を箱に播く構造なので、スライドさせる部分に特殊な部品が使われています。そのような部品が販売されているわけもなく、部品調達に工夫が求められますが、そこで着目したのが「カーテンレール用ランナー」。丁度直径がぴったりのものを見付けたので、加工して取り付けました。純正部品に引けを取らない仕上がりです。
修理その2:山中式硬度計
土壌断面調査の必須アイテムです。簡単な構造ですが、硬度を示す部分のねじが外れて紛失するトラブルが絶えません。水稲播種板と同様に部品が特殊で、本体は製造され続けているため部品の入手が不可能ではないと思いますが、懸命に探せば、代わりになる部品が見つかるだろうと時間をかけ探し続けました。
代わりの部品となったのは、「スーツバッジの留め具」と「工具箱の中にあった板バネ」でした。使わないバッジの留め具と何に使われていたのか不明な板バネを活用して土壌硬度計が甦りました。
修理その3:ポケッタブル・スケール(小型電子天秤)の修理
電子回路が故障しているのであれば「お手上げ」ですが、幸いにも「ボタン電池のショート」が不具合の原因でした。スィッチを押すと液晶表示部分が点滅して、新品のバッテリーを入れたにもかかわらずLow Battery表示になり、素手で電池を触れられないほどの高温になりました。短絡している部分を絶縁すれば直るのですが、さてどうするか………と考えると、ありましたっ!毎朝1錠服用している高血圧症治療薬ニフェジピン20mgCRを包んでいるプラスティックの包装資材。錠剤の包装の直径とボタン電池の直径がほぼ一致した事から、活用の道が開かれたワケです。尚、余談ですが、ニフェジピン錠のサイズは2つあり、径が大きいトーワ薬品製は使えましたが、径が小さなサワイ製薬の薬では治せません。
高血圧症治療薬が秤の治療にも役立ったとゆ~オチですね。(*^-^*)
修理その4: プロジェクター用スクリーンの安定化(脚部の強化)
スクリーンの脚部分が一部浮いた状態の為ゆらゆらしていたので、プラスティックの円盤を挟んで安定化させました。使ったモノは、分厚い冊子に穴をあける強力パンチの刃を受けるロットガードと称する青い部品。
これが直径・厚み共にジャストフィット。両面テープで張り付けてスクリーンがしっかり固定されました。
修理その5:掃除機の破損したスィッチを修理
吸引力が落ちてきているとはいえ、まだまだ使える掃除機なので、割れたプラスティックのスィッチを接着剤で着けました。一般的なプラスティック用接着剤では強度が足りないと判断し、使用したのは「紫外線照射4秒で強力に接着する」がウリのBONDIC 。シリコン製品には使えませんが、それ以外のほとんどに使えるBONDICは、かなりおススメです。
BONDICのUV LEDライト電池交換について。
接着剤(液)とUV LEDライトがセットになって強力に接着するBONDICですから、UV LEDライトが明るく光らなければ全く役に立ちません。取扱説明書には「UV LEDライトの交換」は、その部分のパーツをそっくり付け替える事になっていて、Amazonでは1,089円~1,264円の値が付けられています。ライトが切れているのではなく,電池が消耗しただけでライトごと交換するというのは納得できませんので、リチウムバッテリー(CR2016)の交換を行ないました。これぞSDGs。かかった費用は2個で110円(by Daiso) !!!
(現在、BONDIC EVOという新製品が発売され、こちらは電池交換可能となっています。)
修理その6:Coffee Makerのヒューズ交換
かなり古い製品ですが、通電しなくなったので「断線かヒューズの交換で直る」と考えました。実際に分解して断線の有無とヒューズの規格を確認し、新しいヒューズに交換したところ復活しました。電子回路が無い古いタイプの機械でしたから、複雑な部分が無く修理は比較的簡単でした。
気抵抗値を測定したところ、ご覧のとおり古いヒューズ(上)は針がピクリとも動かず、新たなヒューズ(下)は右へ一杯振れて0Ωでした。
因みに、測定しているアナログテスターはTRIO Kencraft TD-101という高校生の頃に組み立てた製品です。半世紀を超えて使用していますが、不具合なく作動しています。
以上、入社以前の職場で対応して来た修理作業の一部をご紹介致しました。以前の職場は予算が極めて限られている中で創意工夫を凝らし、知恵を絞って働きやすい環境を手に入れる事が求められていました。
いま、職場環境が変わり以前ほどの切迫した状況ではありませんが、これからも身の回りでちょっとした修理によって活用されるモノがあれば、状況の許す限り街の電気屋さん風に「職場の修理屋さん」として微力ながら会社に貢献して参りたいと思います。ある時は〇〇、そして、ある時は修理屋さん…です。
ソリューション部 技術普及課 T村センセーション